いつかやってくる問題 1
いつかはやってくる問題、それは親の介護や最期を見取ること。
こんな話を紹介します。
男は薄暗い町医者の待合室で順番を待っている。
先週海外赴任の辞令をもらい、男がとるものもとりあえず郷里の町医者を訪ねたのは、父が高齢で血圧が高く、寝たり起きたりの生活が続いていたからだ。
もつ郷里を出てから二〇年に近い。
以前、わが黍通っていた医者は亡くなり、両親は家から少し遠いけれど老人たちに評判の良いこの町医者にかかっていたのだ。
病気の両親を置いて、海外へ転勤していいものかどうか。
やはり自分だけ単身赴任して、家族は置いていったほうがいいのかどうか。
それを決めるには父の容体をはっきり掴むことが先決だった。
父は本当はどこがどれくらい悪いのか、それを知りたかったのだ。
母の話を聞くと、父は何年も前から心臓が悪く、いつ死んでもおかしくないようにオーバーに言つので、判断に困るのだ。
東京から電話をかけて先生に用件を告げて飛んできた。
年寄りの先客が何人も帰り、男の番がきた。
「いつも両親がお世話になり、よくしていただき感謝しています」と型通りの挨拶の後、すぐ本題に入った。